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英単語を効率的に記憶・暗記する方法

経験的にもわかるように、少し前のことは覚えていても時間が経つにつれほとんど忘れてしまいます。今日の昼ごはんに何を食べたか思い出せても、1週間前の昼ごはんについては、特別なイベントでもない限り、忘れているのが普通ですよね。

単語の記憶・暗記でも同じことが言えます。ある時点で単語を覚えても、それ以後何もしないで時間が経てば、ほとんど忘れてしまいます。

「単語がなかなか覚えられない、暗記できない」、「覚えた単語をすぐ忘れてしまう」ことは、通常だれもが経験することで、脳の自然な働きのひとつです。なので、記憶できないことを思い悩む必要はありません。大切なのは、記憶・暗記の仕組みを理解して、定着させる練習を実践していくことなのです。

短期記憶と長期記憶

情報を短時間一時的に保持することは短期記憶と呼ばれ、その場で単語を記憶・暗記することは短期記憶になります。

一方、長期記憶は、簡単に言うと長い間脳の中で忘れない記憶を指します。過去に覚えた単語の意味が瞬時にわかる時、その単語が長期記憶として保存されていることになります。

情報を短期記憶から長期記憶に移行させるために必要なことは、反復練習です。覚えたい単語、暗記したい単語に何度も触れながら、地道に繰り返すことが大切なのです。

反復練習には、毎日単語に目を通す、黙読する、声に出して音読する、音声を聞くなどありますが、実際のところどれも難しいことではありません。

しかしながら、こうした作業は単調になりやすく、飽きやすいことが欠点です。また、食事、睡眠など毎日の生活に欠かせないものではなく、やらなくても特に日常生活に支障をきたすものではありません。意識しないと、仕事や学業、家事などと比べて優先順位が格段に低くなり、何もやらなくなってしまうことがよくあることではないでしょうか。

では、どうしたら、英単語を記憶する・暗記する作業を習慣化し、継続的に進めることができるでしょうか?

5分など短い時間を練習単位にして、練習回数を増やす

単語を覚える練習だけに連続30分はきつく、仮にできたとしても集中力が落ちてきます。また、まとまった時間を1日の中で取ろうとすると、やる時間帯が限られてきます。

そこで、単語練習の単位を5分のように短く設定し、5分単位で1日のスケジュールの中に組み入れるといいでしょう。午前中に5分×2セット、お昼に5分×2セット、夕方以降に5分×2セットとした場合、1日で合計30分を単語練習に割り当てることができます。1週間で30分×7日=210分と、ちりも積もれば山となってきます。また、回数を増やすことで単語との接触頻度も増え、長期記憶につながりやすくなります。

単語練習するタイミング・時間帯を決める

時間がある時、暇な時にやるというのもありますが、この方法だと、疲れていたり、他の予定が入ったりすると先延ばしになる恐れがあります。

そこで、上に書きましたように、単位時間を5分にし、単語5分間練習を1日のスケジュールの中にしっかり組み込んでいくのがいいでしょう。

例えば、朝起きて5分、通勤電車の中の5分、会社に早めに行って5分、ランチの後に5分×2セット、寝る前に15分×2など。この時間だけ集中して単語練習に取り組むことにするのです。

仮にある時間帯に他の用事で単語練習ができない場合でも、他の時間帯にも組み込まれているので、練習時間がゼロにはなりません。多少練習時間が短くなっても、確実に前に進んで単語練習ができます。

目につくところ単語を貼る

短時間集中して単語練習を繰り返すほかに、アナログ的なやり方になりますが、日常生活の導線上の目につくところ、日常の行動パターンの中で目に入ってくるところに、付箋やポストイットに書いた単語を貼るという方法があります。

冷蔵庫の扉、玄関の扉の裏、寝室ベッドの横の壁、トイレの壁、オフィスの透明なデスクマットの下、パソコンのモニターの横などに覚えたい単語をいくつか貼って、しばらくの間、毎日見るようにすれば、効果が期待できます。(※ご家族がいる場合は協力してもらうといいですね。)

実際に、この目に入るところに単語を貼る方法を徹底的に実践した方がいました。100円ショップでコルクボードを3枚買ってきて、トイレ、リビングと寝室の壁に設置し、そこにポストイットに書いた単語を貼って、毎日眺めることで大きな成果を上げました。

まとめ

最後にまとめますと次のようになります。

・単語はその場で覚えたつもりになっても、何もしなければ忘れてしまうのが脳の自然な働き。したがって忘れることを、記憶が悪いからと決めつけないほうがいい。
・短時間覚えている記憶は短期記憶で、長期にわたって脳に保持される記憶が長期記憶。
・一時的に覚えた単語は短期記憶で、長期記憶にするには、反復練習が絶対必要。
・反復練習する時間を、例えば5分のように細かく設定し、1日の生活パターンの中に複数回組み入れることが記憶・暗記を定着させるコツ。
・さらに日常生活で目に触れる箇所に単語を貼って自然に目に入ってくる環境をつくれば、単語との接触頻度が増え、記憶・暗記の効率が上がってくるはずです。

少しでも参考になるところがあれば実践してみてください。1か月、2か月と継続すればきっと違いが出てくるでしょう。